ある機械製造会社の話ですが、Webサイトに「今月の失敗」という記事を掲載しています。具体的には商品開発を行う上での失敗談です。もちろん、失敗は決して良いことではありません。できれば失敗などせずに成功したいものです。
本来であれば失敗という人には見られたくない部分を、あえて公開している目的はなんなのでしょう?
「失敗は成功のもと」とのことわざのとおり、失敗もしないで魅力的な商品は開発できるでしょうか?この会社の場合、失敗を魅力的な商品を開発するための重要なステップとしてとらえています。
開発スタッフの熱い思い、悪戦苦闘、改善や工夫の工程を掲載することで、「商品の魅力の向上」「商品や会社に対する信頼感の向上」を狙っているはずです。
企業にとって、Webサイトは広告媒体です。当然、商品やサービスのメリットを掲載し良い商品であることをアピールします。サイトを見る側もそのことを十分理解しています。それ故に、過剰に「これいいよ。すごいよ。」と書いてあっても「話半分」で見てしまいます。
ところが、あえてマイナスの要素を知ることで、信頼感が高まり、単なる広告ではなく、正確な情報が掲載されていると感じてしまいます。
このことは商品開発だけに限ったことではありません。例えばクレーム対応など、「この様なクレームをもらってしまったが、この様に対応することで改善された」などでも同じ印象をあたえることができます。
「ネガティブなことをポジティブにかえる」、この発想は様々な視点で取り入れられるはずです。